メタルエンジェル3
PS用シミュレーションゲーム、
ビクター インタラクティブ ソフトウェア、
1997年
ゲーム概要
時は近未来。
金属の強化アーマーを着て戦うスポーツ「フルメタルバトル」
のプロリーグに所属する、3人の女の子を育成し、
リーグ優勝を目指せ。
みどころ
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育成シミュレーションゲームと考えるのではなく、育成ゲームっぽいおまけがついた電脳紙芝居と割り切ってプレイするのが吉。
ぶっちゃけ、光栄のガイドブックが無いと、どこを楽しんだらよいのかすら良く分からない。
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シナリオは、全体的に百合っぽい。
メインヒロインである綾香は、先輩を「お姉さま」と呼んでメロメロだし、
二番目ヒロインのつかさは、ラスボス(女)に一方的に惚れられる。
あと、スワンさんとかクミちゃんとか、あっちもこっちも。
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3人目のヒロインは主人公の妹なのだが、重度のブラコン。
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主な出演は、山崎和佳奈、桑島法子、野上ゆかな。
このほか、永島由子、根谷美智子、笠原留美、荒木香恵、西原久美子、野田順子ほか。
基本情報
育成スケジュール
トレーニングには三種類がある。
- パンチトレーニング、キックトレーニング、ダッシュのような基礎能力を上げるためのもの、
- 空手、キックボクシングのような技を習得するためのもの、
- そして戦術理論やスーツ理論のような理論系。
トレーニングは、それに関連する能力値が一日当たり約30点上がる。
トレーニングはどのメニューでも一日当たり約30点の体力を消費する。
トレーニングは週に6日あるので、週の始めの時点で体力が200点を
切っていたら、スケジュールに休養を入れるか、または
週の途中で休ませるかしない限り、必ず倒れる。
特に序盤は注意が必要。
水泳をやらせると最大体力を上げることができる。
彼女達は、トレーニングの最中に「体調が悪いので休ませて欲しい」と申し出てくることがあるが、
多くの場合仮病である。
体力が残っているかどうかは、□ボタンを押すと出てくるステータス表示で確かめることが出来るので、
常に体力とストレス値を把握しておくようにしよう。
トレーニングをするごとに、ストレスも20点くらいずつ上がっていく。
ストレスが600点を越えると選手は異常を起こしてしまう。
週末にデートをすると350点下げることができる。
試合やほかの子とのデートで連続2週間はデートできないことがあると考えると、ストレスが360点を越えるのは危険水域
と考えた方がよさそうだ。
技の習得
技は、基礎能力(腕力、脚力など)がある程度育っている状態で、技習得系のトレーニングをしたときに習得する。
空手やキックボクシングといった流派のそれぞれに、パンチ技、キック技、射撃技、投げ技、特殊技が含まれているが、
技の系統によって必要な能力が違う。
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パンチ技を習得する条件は、腕力と器用度だ。
空手はパンチ技を特に多く含んでいる。
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キック技を習得するには、脚力と敏捷度が必要だ。
キック技はキックボクシングのメインであるが、ほかの流派にも少しだけ混じっている。
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投げ技を習得する条件は、筋力、脚力、器用度だ。
投げ技が多い流派は柔道とプロレスだ。
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射撃技を習得するには、器用度、そして精神力だ。
射撃技が多いのは気功術と忍術。ほかの流派にも射撃技が少しだけ存在する。
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特殊技(状態異常を引き起こす技、および回復技)を習得するには、魅力度と精神力。
特殊技はすべての流派に存在するが、気功術、忍術とダンスには特に多い。
技の中には高度な二人技、三人技という最高峰が存在する。
これは流派の基本的な能力のほかに、精神力や魅力度がある程度必要みたいだ。
育成の戦略
パラメータの数は多いが、リーグ戦まであまり時間が無いので、全てを均等に育てることは出来ない。
3人にそれぞれ専門を決めて育てるのが良い。
パンチの専門家、キックの専門家、気功術の専門家など。
射撃の専門家や回復ができる人も一人はいた方がいい。
技を学ぶトレーニング(空手やキックボクシングなど)は、
どれか一種類を専門的に学ばせるのが良い。
いろんな流派に手を出した挙句、初歩的な技をたくさん手に入れたところで、勝てる選手にはなれないぞ。
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つかさはキックボクシング一本槍で育てるのがシンプルでいい。
キックトレーニング、ダッシュ、キックボクシングを重点的に練習すると、
簡単に強くなる。
腕力や器用度や魅力度がゼロになるが、まったく問題ない。
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恵は射撃・特殊・回復技の専門家に育てるのがいい。
まずは気功術かダンスのどっちかを育てる。
基礎能力は魅力度、精神力そして器用度。
腕力と脚力がゼロになるが、まったく問題ない。
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初期能力がバランス型の綾香は、(消去法で考えて)パンチおよび/または投げ技を学ばせるのが面白い。
基礎能力は腕力、器用度そして脚力を鍛える。
能力がばらける分だけ成長は遅いのが難点になるので、脚力は後からでも構わない。
技は空手+柔道か、またはプロレス単独にしてとりあえずラリアットを習得する。
5月末に最初の公式試合がある。
序盤では、敵の攻撃に耐え切れずにすぐノックダウンしてしまうので、
戦術理論やスーツ理論で防御を高くしよう。
スーツ設定は防御を最優先にすべき。
並行して水泳で体力を上げ、敵の攻撃に長く耐えられるようにしよう。
駆け出しの頃は、覚えた技は一種類しかなくても構わない。
最初に覚えるのは、単体・攻撃技だろう。
戦術理論で「攻撃・単体」にひとケタくらいの数字を割り振っておこう。余った数字は全て防御だ。
特殊技の専門家は「特殊」「回復」にも数字を割り振る。
後半になると強力な複数攻撃を覚えていくので、だんだんに「攻撃・複数」へ数字を割り振っていく。
感情
三人の選手にはそれぞれ、信頼、好意、自信というパラメータが付いていて、これらの組み合わせによってコロコロと表情が変わる。
パラメータは選手にどのように接するかで上下する。
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自信パラメータは普通を維持するのが一番だ。
高すぎると高飛車状態になってサボりが多くなる。
だから、彼女らの感情が普通のときには決してほめないこと。
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信頼パラメータは高い方が良い。練習中に励ますとじわじわ上がっていく。
明らかに間違った命令を出したり、トレーニングメニューにたくさん変更を入れると下がるので、
できるだけ機嫌を損なわないように行動することが肝要だ。
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好意パラメータは、本編とはあまり関係ない。
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選手の感情が高めに変動してくると、練習しているようで実はしていない「ダラダラ」状態になる。
練習効率が大幅ダウンするので、コーチが介入してやらなければならない。
叱るか注意するかを選べるのだが、
まずは□ボタンを押してステータスを確認しよう。
自信パラメータが高めなら叱り、低めなら注意するといいだろう。
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一番問題なのが、サボり。
練習を勝手に中断して、玄関から抜け出したり食堂で何か食べていたりする。
対処はダラダラと同じでいいだろう。
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自信パラメータが上がってくると、高飛車状態になる。
綾香は「オホホホホ」という変な笑い方になり、つかさは猫みたいな口になって横柄な喋り方になる。
恵は保母さんみたいになる。
実はこれ自体は全く無害。
ただ、ダラダラ状態、サボり状態になりやすくなるので、監視を強化し、見つけたら叱ってやろう。
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恵にだけ、嫉妬状態というのがある。
綾香とつかさばかり連続で相手しているとこうなる。
嫉妬状態になってしまったら、まずは励ますかほめてご機嫌を取っておく。
これで回復すればそれでよし。
続いて落ち込み状態になってしまったら、挑発すれば普通状態に回復する。
シナリオモード
シナリオモードは、トレーニングの幕間のイベントが楽しめるほか、
シナリオ無しモードに比べて敵チームの強さはやや弱い。
しかし、夏のリーグ戦では決して優勝できないシナリオになっている。
だから、夏のリーグ戦でどれだけ負けてもうろたえてはいけない。
たとえ全敗したって悪いことは何もないんだ。
冬のリーグ戦こそが本命だと思っておおらかな気持ちでゲームに臨もう。
シナリオ無しモードは、幕間イベントが無い分だけゲーム進行は快適だが、
敵はやや強い。
夏のリーグ戦ではこちらのチームも育ちきっていないので、当然のように負け続けるかもしれないが、
冬のリーグ戦こそが本命だと思って以下同文。
夏冬連続制覇すると、エキジビジョンマッチとして世界最強チーム「ブリザード」と手合わせできるが、流石に勝てる相手ではない。
勝てなくてもリーグ優勝した扱いになるので、負けても一応OK。
週末に練習試合を行うと、マイナーリーグのチーム「ブリザード」と手合わせできるが、流石に勝てる相手ではない。
勝っても負けてもゲーム上の変化は無い。
何だか存在意義がよく分からないコマンドではある。
というか、この実力差では練習にならない。
というか、週末はほとんど選手のストレス回復のためデートで埋まるので、練習試合なんかやっている時間は無い。
ぼやき
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メッセージ速さやボイスの有無といったオプションが、ロードするたびに初期状態に戻るのはおかしい。
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どの能力値を上げれば技が習得できるのか、ノーヒントなのは酷くないか。
「どうやら練習方針を間違えて技が習得できないらしい」と気づいた頃にはリーグ戦が始まってしまい、
ボロ負けしてプレイヤーが意欲を失ってしまう。
プレイヤーはエスパーじゃないんだから。
かと言って、技を覚える能力値が一旦分かってしまうと、それ以降は黙々と能力値を上げるだけの作業になってしまい、
プレイヤーが知恵を使う必要がなくなってしまうという困ったゲームだ。
一言で言って、不快。
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黙々と能力値を上げていく状態になったとき、
乗り越えるべき障害は、気まぐれな選手たちがサボったり落ち込んだりするのを、
説得して練習に戻らせることだけである。
それがゲームとして楽しいかと言われれば、どう考えてもノーだ。
うまく説得できてもまたすぐ機嫌を悪くするし、急いで処置しなくても決定的に何かが
変わるわけでもないし、
この作業で頑張るのは空しい。
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育成には一見いろいろな許容幅がありそうに見えるが、勝てるチームを作ろうとすると、やるべきことは一本道だ。
シナリオを読ませるのがメインだから育成はシンプルにして邪魔しないようになっていて良い、という
見かたもできるだろう。
でも、ゲーム性が低いっていう言い方もできるよね。
17 October 2007
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