「きのこの山」か? それとも「たけのこの里」か? −−−いいえ、どちらでもありません。

チョコレート菓子は、日常のおやつとして、また行動食や非常備蓄として、消費者に恩恵を与えています。 しかし、もっとも優れたチョコレート菓子はどれなのでしょうか? ここでは、行動食または非常備蓄としての性能に着目し、 重量1グラムあたりのカロリー数で比較してみました。

予備知識として、義務教育の家庭科でやるデータをおさらいしておこう:

糖分や粉モン成分が増えるほど全体的には不利になり、 逆に油脂分が増えるほど有利になる、ということを頭の片隅に置いて読んでいただきたい。


重量あたりの熱量(糖分、その他)

商品名取引単位あたりの重量(g)取引単位あたりの熱量(kcal) 1グラム当たりの熱量(kcal/g)備考
氷砂糖(メイホウフーヅ)3.87kcal/g 純粋なショ糖そのもの。 ここにバターやカカオマスを混ぜていくことでエネルギー密度が上がっていく。
サクマ ドロップス(サクマ製菓)1缶あたり 1305083.9 賞味期限は1年くらい。ほぼ砂糖でできているということですな。
ニューコンミート(ノザキ)缶100g1001962.0 参考情報として。肉です。賞味期限3年。
SPAM 一食分561803.2 加工肉の缶詰。

重量あたりの熱量(小麦粉製品)

商品名取引単位あたりの重量(g)取引単位あたりの熱量(kcal) 1グラム当たりの熱量(kcal/g)備考
カンパン(三立製菓)袋入り2209024.1 賞味期限は、プラスチック袋のものは1年、缶詰は5年。 常温で保存でき、衝撃にも高温にも強い。 重さの割には若干熱量が低いが、これは腹もちがよくなるような工夫がしてあるため。
マリー ビスケット(森永製菓)1366004.4 クラシックなビスケットの代表としてマリーさんに来ていただきました。 賞味期限は半年くらい。 えっ、そんなに短いのか。と言うかリッツが長すぎるのか。
ムーンライト(森永)1367155.3 丸くて黄色いバタークッキー。マリーさんよりバターたっぷりな分カロリーが高い。
特濃ミルククッキー(フルタ製菓)1枚あたり7.8395.5 クラシックなバタークッキーだが、生クリームをたっぷり使っているらしく、 カロリーも特濃になっている。
リッツ(ナビスコ)1パック分854385.2 賞味期限は、プラスチック袋のは1年、缶詰は5年で、備蓄にも適する。腹もちの良さでは乾パンに一歩譲るところだ。
カロリーメイト(大塚製薬)804005.0賞味期限は約1年。ほかのビスケットと比べてやや高価。
ソイジョイ(大塚製薬)301364.5
ライトミール ブランサンド ブルーベリー味(TOPVALU)1枚当たり18884.9 賞味期限は4ヶ月程度。

重量あたりの熱量(チョコレート)

商品名取引単位あたりの重量(g)取引単位あたりの熱量(kcal)1グラム当たりの熱量(kcal/g)備考
チョコレート効果 カカオ99%(明治製菓)箱452906.4 ほとんどチョコレート由来の油脂だけでできているので、重量あたりの熱量は高い。 ここに砂糖や牛乳、ナッツやフルーツを混ぜると下がっていく。
ミルクチョコレート(明治)583245.6 板チョコの大御所。賞味期限は約1年。 チョコレートに甘味やミルクを加えた分だけエネルギー密度が下がっているのが分かる。
スニッカーズ ピーナッツ(マースジャパン) 532705.1賞味期限は約1年
M&M ピーナッツ402075.2 高い気温で溶けるという問題をコーティングで克服した。

重量あたりの熱量(チョコレート菓子篇)

商品名取引単位あたりの重量(g)取引単位あたりの熱量(kcal)1グラム当たりの熱量(kcal/g)備考
ポッキー(グリコ)1004965.0
きのこの山(明治製菓)824595.6賞味期限は8ヶ月程度?
たけのこの里(明治製菓)844615.5きのこの山との差は誤差レベル。
アルフォート(ブルボン)1枚あたり6211.35.5
トッポ(ロッテ)1袋あたり392125.4
良味100選 動物チョコビスケット(ヤマザキナビスコ)1袋 804265.3ミルク風味のビスケットの片面にチョコをコーティングした菓子。
チョコパイ(ロッテ)1個当たり321625.1
チョコウェハース マロン(TOPVALU)1枚あたり12.3705.7
チョコビ(東ハト)21116.65.6 コーンパフにチョコレートクリームを染み込ませたもの。
しみチョココーン(ギンビス)633645.8 同じく、コーンパフにチョコレートクリームを染み込ませたもの。
ポポロン(明治製菓)392295.9

結論と考察

調べた範囲で最強のチョコレート菓子はポポロン(一般名チョコシュー) であった。

全体を通していうと、重さあたりの熱量を決める因子は、 製品重さに占める油脂の比率だけであるようだ。 クッキー部分がバターたっぷりである、とか、 チョコレート部分がビターである(砂糖やミルクといった熱量密度を下げる 成分が少ない)といったことで有利になる。 さらに、チョコ/クッキー比が高いことも重要だ。

チョコシューはこれらの因子に恵まれていると言える: 粉モン部分は空気を多く含むシューであるから、 体積に比べて粉モン重量は比較的少ない。 また、シューの空洞にチョコクリームを詰めるという手法を使ったため、 「クッキー表面にチョコを載せる」という手法に比べて、 チョコ/クッキー比を大きくとることができる。

ウェハースやコーンパフにチョコを染み込ませるのも同じで、 粉モン部分を軽量化しチョコ/クッキー比を高くとるテクニックと言える。

また、粉モンでチョコを包むという手法は、大型化したときに有利である。 仮にポポロンの直径を2倍にしたとしよう。 チョコの量は8倍になるが、それを包む粉モンの量は(シューの厚みを変えないなら)4倍であり、 チョコ/クッキー比は単純に2倍になる。 もし「大人の大粒ポポロン ビター味」などと言うものができたら、記録を塗り替えることになるだろう。

そういうわけで、当ウェブサイトはチョコシューを応援します。 あと、明治製菓さんほかチョコシューを製造している各社様におかれましては 「大人のチョコシュー」をぜひご検討ください。


追記:July 16, 2015

初稿:November 30, 2014

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