チョコレート菓子は、日常のおやつとして、また行動食や非常備蓄として、消費者に恩恵を与えています。 しかし、もっとも優れたチョコレート菓子はどれなのでしょうか? ここでは、行動食または非常備蓄としての性能に着目し、 重量1グラムあたりのカロリー数で比較してみました。
予備知識として、義務教育の家庭科でやるデータをおさらいしておこう:
糖分や粉モン成分が増えるほど全体的には不利になり、 逆に油脂分が増えるほど有利になる、ということを頭の片隅に置いて読んでいただきたい。
商品名 | 取引単位あたりの重量(g) | 取引単位あたりの熱量(kcal) | 1グラム当たりの熱量(kcal/g) | 備考 |
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氷砂糖(メイホウフーヅ) | 3.87kcal/g | 純粋なショ糖そのもの。 ここにバターやカカオマスを混ぜていくことでエネルギー密度が上がっていく。 | ||
サクマ ドロップス(サクマ製菓)1缶あたり | 130 | 508 | 3.9 | 賞味期限は1年くらい。ほぼ砂糖でできているということですな。 |
ニューコンミート(ノザキ)缶100g | 100 | 196 | 2.0 | 参考情報として。肉です。賞味期限3年。 |
SPAM 一食分 | 56 | 180 | 3.2 | 加工肉の缶詰。 |
商品名 | 取引単位あたりの重量(g) | 取引単位あたりの熱量(kcal) | 1グラム当たりの熱量(kcal/g) | 備考 |
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カンパン(三立製菓)袋入り | 220 | 902 | 4.1 | 賞味期限は、プラスチック袋のものは1年、缶詰は5年。 常温で保存でき、衝撃にも高温にも強い。 重さの割には若干熱量が低いが、これは腹もちがよくなるような工夫がしてあるため。 |
マリー ビスケット(森永製菓) | 136 | 600 | 4.4 | クラシックなビスケットの代表としてマリーさんに来ていただきました。 賞味期限は半年くらい。 えっ、そんなに短いのか。と言うかリッツが長すぎるのか。 |
ムーンライト(森永) | 136 | 715 | 5.3 | 丸くて黄色いバタークッキー。マリーさんよりバターたっぷりな分カロリーが高い。 |
特濃ミルククッキー(フルタ製菓)1枚あたり | 7.8 | 39 | 5.5 | クラシックなバタークッキーだが、生クリームをたっぷり使っているらしく、 カロリーも特濃になっている。 |
リッツ(ナビスコ)1パック分 | 85 | 438 | 5.2 | 賞味期限は、プラスチック袋のは1年、缶詰は5年で、備蓄にも適する。腹もちの良さでは乾パンに一歩譲るところだ。 |
カロリーメイト(大塚製薬) | 80 | 400 | 5.0 | 賞味期限は約1年。ほかのビスケットと比べてやや高価。 |
ソイジョイ(大塚製薬) | 30 | 136 | 4.5 | |
ライトミール ブランサンド ブルーベリー味(TOPVALU)1枚当たり | 18 | 88 | 4.9 | 賞味期限は4ヶ月程度。 |
商品名 | 取引単位あたりの重量(g) | 取引単位あたりの熱量(kcal) | 1グラム当たりの熱量(kcal/g) | 備考 |
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チョコレート効果 カカオ99%(明治製菓)箱 | 45 | 290 | 6.4 | ほとんどチョコレート由来の油脂だけでできているので、重量あたりの熱量は高い。 ここに砂糖や牛乳、ナッツやフルーツを混ぜると下がっていく。 |
ミルクチョコレート(明治) | 58 | 324 | 5.6 | 板チョコの大御所。賞味期限は約1年。 チョコレートに甘味やミルクを加えた分だけエネルギー密度が下がっているのが分かる。 |
スニッカーズ ピーナッツ(マースジャパン) | 53 | 270 | 5.1 | 賞味期限は約1年 |
M&M ピーナッツ | 40 | 207 | 5.2 | 高い気温で溶けるという問題をコーティングで克服した。 |
商品名 | 取引単位あたりの重量(g) | 取引単位あたりの熱量(kcal) | 1グラム当たりの熱量(kcal/g) | 備考 |
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ポッキー(グリコ) | 100 | 496 | 5.0 | |
きのこの山(明治製菓) | 82 | 459 | 5.6 | 賞味期限は8ヶ月程度? |
たけのこの里(明治製菓) | 84 | 461 | 5.5 | きのこの山との差は誤差レベル。 |
アルフォート(ブルボン)1枚あたり | 62 | 11.3 | 5.5 | |
トッポ(ロッテ)1袋あたり | 39 | 212 | 5.4 | |
良味100選 動物チョコビスケット(ヤマザキナビスコ)1袋 | 80 | 426 | 5.3 | ミルク風味のビスケットの片面にチョコをコーティングした菓子。 |
チョコパイ(ロッテ)1個当たり | 32 | 162 | 5.1 | |
チョコウェハース マロン(TOPVALU)1枚あたり | 12.3 | 70 | 5.7 | |
チョコビ(東ハト) | 21 | 116.6 | 5.6 | コーンパフにチョコレートクリームを染み込ませたもの。 |
しみチョココーン(ギンビス) | 63 | 364 | 5.8 | 同じく、コーンパフにチョコレートクリームを染み込ませたもの。 |
ポポロン(明治製菓) | 39 | 229 | 5.9 |
調べた範囲で最強のチョコレート菓子はポポロン(一般名チョコシュー) であった。
全体を通していうと、重さあたりの熱量を決める因子は、 製品重さに占める油脂の比率だけであるようだ。 クッキー部分がバターたっぷりである、とか、 チョコレート部分がビターである(砂糖やミルクといった熱量密度を下げる 成分が少ない)といったことで有利になる。 さらに、チョコ/クッキー比が高いことも重要だ。
チョコシューはこれらの因子に恵まれていると言える: 粉モン部分は空気を多く含むシューであるから、 体積に比べて粉モン重量は比較的少ない。 また、シューの空洞にチョコクリームを詰めるという手法を使ったため、 「クッキー表面にチョコを載せる」という手法に比べて、 チョコ/クッキー比を大きくとることができる。
ウェハースやコーンパフにチョコを染み込ませるのも同じで、 粉モン部分を軽量化しチョコ/クッキー比を高くとるテクニックと言える。
また、粉モンでチョコを包むという手法は、大型化したときに有利である。 仮にポポロンの直径を2倍にしたとしよう。 チョコの量は8倍になるが、それを包む粉モンの量は(シューの厚みを変えないなら)4倍であり、 チョコ/クッキー比は単純に2倍になる。 もし「大人の大粒ポポロン ビター味」などと言うものができたら、記録を塗り替えることになるだろう。
そういうわけで、当ウェブサイトはチョコシューを応援します。 あと、明治製菓さんほかチョコシューを製造している各社様におかれましては 「大人のチョコシュー」をぜひご検討ください。
追記:July 16, 2015
初稿:November 30, 2014