勝率が18%未満の人は戦意を喪失してルーキーリーグから去っていく。
ストリートファイターVのインターネット対戦で全然勝てない。 ルーキーリーグで勝率5%未満になっちゃったよ。 本作は対戦格闘ゲームに初めて触れる人にも配慮した設計になっており、 2020年の今でも新規プレイヤーは一ヶ月に2万人ずつ増えている。 さらに、改良されたマッチング制度により技量の近い人同士が対戦するようになっているはずなのに、 なのに、俺より弱いやつが見当たらないのである。
そこで、これまで対戦した相手のデータを集計してみた。 記事を書いている段階で88人の方と対戦した(重複したものは除く)。
勝率(総合)でヒストグラムを作ってみた。
勝率30〜40%の人が最も多い。 20〜50%の範囲に6割以上の人が集中している。 また、勝率30%を超える人は全体の73%である。
つまり、ほとんどの利用者は 「実力の近い人とマッチングしている」と感じるはずだ。 勝率が27.8%以上あれば長期的にはLPは増加する傾向になるので、 プレイしていても満足感が高く、継続して利用する客になってくれるだろう。
一方、勝率20%以下の人は11%しかいない。 弱者であればあるほど「実力の近い人に会えない」と感じるはず。
ひとつ疑問なのは、勝率がごく低い層が薄すぎることだ。 トロフィーのグローバル取得率では「ランクマッチで1勝したことがある」 を取得した人は3割弱しかいないので、 勝率がゼロ近くに大部分のプレイヤーがいないとおかしい。 一般論としても技量はピラミッド状をなすはずだ。 ……やはり、勝てないとかなりの短期間で辞めていくものなのだろうか。
そういえば、ネット対戦を結構やっているが、ゼロ勝の人には 会ったことがない。 理論上、かなり多数の人がゼロ勝であってもおかしくないが、 なぜいないのか? 新規プレイヤーは一ヶ月に2万人ずつ増えているのにだよ?
仮説として考えられるのは、 人間に偽装した接待botがいて、緒戦はかならず勝たせてくれるようになっているのではないか? そうして1勝からスタートした後、だんだんに勝率が下がっていき 5連敗〜9連敗したところで心が折れて辞めていくと 仮定すると、このヒストグラムは説明が付く。
勝率(総合)と対戦数(総合)の分布図を作った。
対戦数が極端に多い人もお3方おられたが、グラフに入らないので割愛した。
図中の赤い破線は、 LPが1,000に到達する対戦数の期待値である。 この赤線を越えるほど対戦したときスーパーブロンズに昇格し、 ルーキーとはマッチングしなくなるはず、ということを意味している。
図中、2番の線で囲ったあたりが、 リーグ昇格を争う修羅たちの領域である。 人数も多く、勝率もそこそこあってUXも高いと思われる。
図中1番の線で囲ったあたりが、これから伸びていく人たちの領域である。 2番の領域とはやや分断があるのが見て取れる。
図中3番は、ルーキーリーグに長居しすぎている人たちである。 この領域にいる人は、いわゆる初心者狩りである可能性がある。 とはいえ、グラフで分かる通り初心者狩りの割合は1割程度でしかない (1割もいればUXを悪化させるには十分とも言えるが)。
2番と3番の間にある空隙は、おそらく順調に上位リーグに昇格して 卒業していった人たちであろう。
1番の領域を子細に見ると、 勝率が18%あたりから下では対戦数が極端に低い人しかいない。 やはり勝率18%以下では戦意が保てないのだろう。 (1勝したあと5連敗するレベル)
全体を見ると、点の濃い領域と薄い領域の境界は右上がりの直線で区画できるようにみえる。 これがおそらく「対戦数を増やせば技量が上がる」と言われる線と思われる。 赤い線との交点は1,500戦のあたりにある。 初めて対戦格闘ゲームに触れる人でも、1,500戦ほどすれば、 勝率3割くらいで勝ったり負けたりしつつLPが稼げる世界が見えてくるというわけだ。 1日1回対戦すれば4年2ヶ月で到達できるぞ頑張ろう!
なお、弾幕シューティングで8連敗すると士気を喪失するというレポートを別稿に書いた。 やっぱり8連敗は毒なんやな……。
初稿:May 03, 2020