いわゆる『バーチャ』…… ゲームセンターとかに置いてあって、 コインを入れると数秒で死ぬ例のアレである。 初心者・入門者が勝てないこと自体は問題ではないが、 数秒で死ぬのではプレイの実感も何もないし、 そんな有様では何をどうやって上達したらいいのかさっぱり分からない。 常連たちも、初心者をどう指導したらいいのか分からず、手を出しかねているみたいだ。
なぜ初心者は『バーチャ』が何一つ楽しめないくらい秒速で敗退するのかと言うと、 まともにファイトするために暗記すべきことが大量にあり、 かつその情報が伏せられているためだ。 そこで本稿では、ある程度生き残るために最低限のことを厳選して記す。 そのためには極論になることも避けない。
初心者・入門者が「面白くねぇ」ってゲームを投げ捨てる前に、最低限これだけはやっておこう。 そうすれば、このゲーム対する見え方も変わるかも……。
練習モードを始める前に、 まずプレイヤーファイルを作成する(DATA FILES --> NEW PLAYER)。 練習モードの進み具合を記録するためです。 使うキャラクター一人ごとに1ファイルが必要です。 全くの初心者ならパイを選んでおけば問題ないと思います。 パイは強いとか勝ちやすいとかではないが、 やれることが少ない分、覚えることも少なくて済みます。
長所 | 欠点 | |
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立ちパンチ | 出が非常に早い。投げを一方的に潰せる。 | 上段攻撃なのでCPUがしゃがんだら空振りして無防備になる。 CPUはほとんど全員立ちパンチをさばくことができるので、CPUが硬直・よろけ・浮き状態でない限りダメージにならない。 |
しゃがみパンチ | 立ちガードの敵にダメージ。CPUの上段攻撃を透かして反撃できる。 投げを一方的に潰せる。 | リーチがとても短く、密着してないと空振りする。 連係できる技が乏しく、ダメージ源になりにくい。 |
中段打撃 | しゃがみガードの敵にダメージ。 ヒットしたらよろけさせたりダウンさせたりと特殊な効果がある技が多い。 | 出がやや遅く、CPUが立ちP/しゃがみPを出せる状況では大概潰される。 |
投げ | 立ちガードの敵にダメージ。 相手の避け行動も潰してダメージ。 CPUの打撃をガードした後、投げによる反撃が確定する場合がある。 | 打撃につぶされる。 CPUがしゃがんだら空振りして無防備になる。 |
立ちガードは上段攻撃と中段攻撃をガードできる。 しゃがみガードは下段攻撃をガードでき、上段攻撃を空振りさせる。
立ちガードとしゃがみガードの切り替えはとても速いので、 CPUは(そうしようと思えば)あなたの打撃技をほぼ全てガードできる。 そして、その都度反撃してあなたを完封できる。 したがって、双方ガードして向き合っている状態では、 CPUに殴りかかるのは自ら隙を作りに行っているに過ぎない。
打撃を出した時、ボタンを押した瞬間に攻撃力が発生するのではない。 攻撃側がガードを解除して無防備になってから、攻撃力が発生するまで わずかだが間がある。これが「出掛かり」と呼ばれる無防備な時間である。 打撃を出し終わった後も、ガードできるようになるまで無防備な時間があり、 こちらは「硬直」と呼ばれる。
CPUの硬直中に打撃を入れると「硬化カウンターヒット」と呼ばれるカウンターヒットになり、 ダメージも1.5倍になる。 また、一部の技はカウンターヒットすると浮いたり特殊なやられポーズになる。
したがって、打撃を出す側は、常に無防備になるリスクを負っているが、 逆に、防御側は打撃をガードしたら大チャンスが来ることになる。 まずガード。それから反撃。 トライアルの11Bおよび16Aと同じ状況になるわけだから 練習通りやればいい。 CPUの打撃技に反撃できるポイントがどこなのかは覚えるしかない。
この通り、投げ−打撃−ガードの三すくみがVFの原則であって、打撃を交わす一瞬にそれらを読み合うのがVFの醍醐味…… って、ベテラン勢はそう言うのだけれど、本当にそうだろうか?
三すくみが成り立つのは、「相手の打撃をガードできて、その上で反撃を食らわす」技量がある場合だけだ。 それが無いなら三すくみは成立せず、打撃が一番強いに決まっている。 VFをまともにプレイしようとするなら、ガードして反撃できないと楽しめない。 VFはガードして反撃する人のためのゲームだ。
トレーニングモードで間合いを覚えよう。 しゃがみP、良く使う中段技が当たる間合い、 それから投げ間合いくらいは覚えておくこと。 VF4で空振りは死を意味する。
上の表で見る通り、 しゃがみパンチが当たるぐらいの密着距離ではしゃがみパンチが最強だということが分かる。 相手の立ちパンチは空振りさせ、投げを100%つぶし、ほとんどの中段打撃も発生の早さの差で打ち勝てるからだ。
投げが届かない距離では、CPUは打撃を出すしかないので、ガードが最強だ (CPUは前ダッシュして投げるという思考はしないようだ)。
問題は、その中間の距離でどうすべきか……これは後で論じる。
上で赤字で紹介したコンボは、硬化カウンターで入れば65ダメージを越える。 つまり、1試合でCPUの硬直を3回ちょっと見抜ければ勝負ありということだ (CPUの初期体力は200です)。 トレーニングを少し積めば難易度ノーマルの対CPU影丸で3回ぐらいであれば、まぁ、何とか……。
あまり同じ反撃ばかりしていると「猿プレイ」とか言われてしまうが、 誰しも一度は猿を通過しないと中級者にはなれない。 まずは確実に猿プレイができるようになることが先決だ。
「投げ間合いの中だがしゃがみパンチは届かない」という距離では、 ガードしたまま突っ立っていると容赦なくCPUに投げられる。 かと言って、投げを警戒して打撃を出せばガード反撃され、相手のガードを投げようと思えば打撃で潰され、打撃をガードしようと思えば投げられる。 三すくみの読みあいなので、どの行動を選んでもそれに応じたリスクを負う。
対応としては、バックダッシュで投げ間合いから逃げ出すもよし、 投げを警戒して硬直の少ない打撃(6Pか2K)を出すもよし。
CPUは一度食らった技には対処してくる。 同じ技を繰り返しても、打撃なら超反応でガードしてくるし、投げ技は全力で投げ抜けしてくる。 逆に言えば、攻める手を3種類くらいだけ覚えて、それを順番に出している だけでも、対CPU戦なら悪くない結果になる。
CPUは自分や相手の硬直を正確に知っているようで、こちらが硬直すると、かなり正確に打撃や投げを決めてくる。 だが、それは悪癖でもある。 と言うのは、ガードされても攻め側有利になる技をCPUがガードしたとき、 CPUは硬直時間を正確に知っているがために「いかなる反撃も間に合わない」と判断し、 ガードを続ける傾向がある。 そのため、攻め側有利な打撃をガードさせて投げる、という単純な連携に簡単に引っかかってくれる。 パイなら、9K単発をガードさせてP+Gで投げる、 または、しゃがみパンチをガードさせて2_6P+G。 あと、6Pをガードさせて64P+Gとか? この辺を順繰りに出しているだけでも結構戦える。
空中にいる敵に打撃を当てる場合時、通常よりもダメージが割引になる。 1〜2ヒットまで0.8倍、3ヒット以上当てるとそれ以上に大幅に割り引かれる。 この結果、空中コンボは見た目は強烈だし一方的に殴れるっていうのは大きなメリットなのだが、 ダメージはそんなでもない。 逆に、CPUに空中コンボを食らわされても、精神的ショックは大きいが 攻略的にはそんなでもない
回し蹴り(K+G)などの回転系の技は、ヒットした間合いが近いほど ダメージが割引になる。 そういう訳なので、ガード後の反撃に使うと今一つだ (ガード後はだいたい距離が近いからね)。
打撃を出すこと自体がリスクである以上、 打撃を確実に入れることができるタイミングは1ラウンドに数回しかなく、 その1回のチャンスに大量にダメージを入れるにはコンボが大事、ということではある。
もっとも、打撃を入れられるチャンスというものは、CPUの打撃技をガードした直後に来るもの なので、 ガードが覚束ない初心者は、まずガードできるようになるのが先決だ。 上で紹介した基本的なコンボでも65ダメージあるので、これ以上のコンボは練習しなくても大差ない。
取扱説明書を読むと、PPPKコンボは初心者にも安心して使えるみたいなことが書いてあるが、 あれは不正確だ。 上段打撃だから、双方ガードして向き合った状態からはCPUは食らってくれない。 さらに、CPUは立ちPを当て身/ホールド/さばきしてくることが多いから、危険ですらある。
CPUの打撃技をガードした後の反撃としてPPPを食らわすことはできる。 が、反撃技ならもっと優れた連携がある。
PPPコンボは、CPUを浮かした時専用と割り切ってもいいかもしれない。
『VF4』には段位制度があり、組手モードなどで勝利することで段位・級位が上がっていく。 また、組手モードでは級位が上がると、コスチュームの色違いやアクセサリが手に入る。 一見、組手モードはいいことずくめに見えるが、実際の話、初心者が 組手モードにかまけるのは程々にしたほうがいいと思う。 というのは、組手モードのCPUは五級くらいでもやたら強いからだ。 「何もする前から殺される」という バーチャファイターの問題点そのものという感じだ。 我々はこの「何もする前から殺される」という問題を解決したいのであるから、 組手モードは程々にしておこう。
実際に40連敗してデータを閲覧したところ、 「打撃が避けられすぎ」「投げが投げ抜けされすぎ」だそうだ。 要はCPUが強すぎるだけじゃないか。
実際のところ、組手モードのCPUは単にAIが強いから困る、というだけではなく、 あらゆるキャラがランダムで登場するのも困る。 反撃ポイントを暗記するところで詰まっている初心者にとって、 登場キャラがランダムというのでは、 試合前に暗記すべきことが多すぎて手に負えない。
一部改稿:July 21, 2016
起稿:June 22, 2016